洋画家の生きた、素顔の京都がここにある
失われつつある京都の日常と土俗的精神を描き出した幻の画文集、待望の復刊
千年の都・京都。世界中から観光客が押し寄せるこのまちを、明治から平成まで見つめつづけた洋画家がいました。井澤元一。
海外から新しい芸術の波が押し寄せ、進化を遂げようと勢いづく日本洋画界で、東西伝統の真の融合を目指す孤高の哲人・須田国太郎に師事し、役所勤めと画業との間でもがきながら自らの表現を模索した井澤は、50代になって日本文学者ドナルド・キーンとの親交をきっかけに、それまで敬遠していた「京都の日常」を描くようになります。
本書に収められたのは、そんな井澤が1970年代後半に捉えた社寺建築や祭礼、風景などの京都の風物です。キーンが「井澤さんの絵には、いつも京都を喚起させる何かが存在する」と評したように、華やかな観光地とは異なる京都の素顔、生活の地層から湧き上がる情趣がのぞく、35編のエッセイと水彩画。
哲学者・鷲田清一の序文とともに、京都ファンや京都をよく知る人にこそ読んでほしい画文集です。
高みから見下ろすのではなく、皮肉を忍ばせるのでもなく、嫌味を交えもしない。なんだかんだと言いつつも助けあって生きる民衆のその姿を、ペーソスとユーモアという温めの油に溶かして描きだす。――鷲田清一(序文より)
新版 古都点描
井澤元一 著
鷲田清一 序文/清水智世(京都文化博物館) 解説
有山達也+大野真琴(アリヤマデザインストア) 装幀・組版
A5判横/上製/カラー/168頁
本体3000円+税/2026年7月刊
ISBN 978-4-909179-14-2 C0039
PROFILE 著者プロフィール
井澤元一 いざわ・もといち
1909年、京都に生まれる。小学生の頃より絵画に興味を示し、油絵を描き始める。
里見勝蔵、須田国太郎に師事し、独立美術展や京都市展、京展に出品。独立美術協会、自由美術協会、主体美術協会に所属。日本文学者ドナルド・キーンの著作『日本文学散歩』などの挿画を担当。京都市文化功労者。1998年死去。
京都府、京都市美術館などに作品が所蔵されている。
EXHIBITION 展覧会
会 期|2026年8月1日〜9月27日
会 場|京都文化博物館 2F総合展示室
(京都市中京区高倉通り三条上る東片町623-1)
入場料|一般600円/大学生400円/高校生以下無料
※総合展示チケットで、フィルムシアターも鑑賞可。
※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、被爆者手帳、戦傷病者手帳の呈示で無料。障がい者1名につき介護者1名が無料。
【関連イベント】
対談:「古都」を語る
講 師|井上章一(国際日本文化研究センター所長)×いしいしんじ(作家)
日 時|2026年9月20日(日)10:30-12:00
会 場|3階フィルムセンター
定 員|150名 要事前申込、先着順。
京都文化博物館HPよりお申し込みください。
料 金|無料。ただし、当日の入場券(半券可)が必要。
学芸員によるギャラリートーク(「円山応挙と弟子たち」展と同時開催)
日 時|8月4日(火)、9月4日(金)14:00から30分程度
会 場|総合展示室内 事前申込み不要、当日の入場者に限ります。
EVENT 刊行記念展
井澤が暮らした衣笠の人々が所蔵する作品を展示。
会 期|2026年7月3日(金)〜25日(土)
金14:00-18:00/土13:00-17:00 18日(土)休
会 場|夕書房・文庫喫茶
京都市北区小松原北町59-21
日常の夢幻-京に生きる
画文集収蔵の主題を網羅する油絵30余点を展覧。
会 期|2026年7月4日(土)〜8月9日(日)
13:00-18:00 火・水休廊
会 場|ギャルリー宮脇
京都市中京区寺町通二条上ル東側
対 談|2026年7月26日(日)15:00-
「京に生きるはなし」渡辺都(一保堂茶舗会長夫人)×いしいしんじ(小説家)
定員40名・要予約・1000円
画家の目と京都人の心
画文集収蔵の言葉や未収載のカットを中心に展示。
会 期|2026年7月8日(水)〜7月20日(月)
7月29日(水)〜8月2日(日)
12:00-19:00 月・火休業
会 場|余波舎
京都市上京区前之町443
京の片隅-井澤元一油絵小品展
画文集収載の画題を朴訥と描いた油絵小品の展示。
会 期|2026年8月5日(水)〜9月6日(日)
11:00-19:00 無休
会 場|ホホホ座浄土寺店
左京区浄土寺馬場町71・1F
2026年7月2日〜
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